白黒映画で1957年公開の『十二人の怒れる男』を観てから、
筒井康隆の戯曲『12人の浮かれる男』があることを知って読んでみた。
題材は陪審員裁判について。
映画『十二人の怒れる男』は一室に篭って、12人の陪審員たちが
父親殺しの容疑者が有罪なのか無罪なのかを話し合うストーリー。
有罪やと11人が思ってるけど、1人だけもしかしたら無罪じゃないのか。
って疑って、無罪の可能性を11人に説いてまわる。
実際に容疑者が有罪か無罪かはどっちでも良くて、
可能性をひとつずつ拾ってみると有罪にするのは難しいわな。って話。
90分の映画中小さい部屋に集まって話あってるだけで、派手な演出はないけど面白い。
で、筒井康隆の『12人の浮かれる男』はその逆。
明らかに無罪であろう男を、陪審員制度が復活した最初の裁判。ってこで、
陪審員たちが有罪にした方が世間の注目を集める。ってだけで有罪にしていく。
戯曲ってのがどういうことを指すのか知らず買ったけど、
どうやら舞台の脚本みたいな書き方なんやな。やから読みにくい。
こっちも、11人が有罪って言いつつ、1人無罪なのを有罪にはできん。
って正義感溢れる人が最終的には有罪って言ってしまうまでを描いてる。
まぁ、ストーリーがなかなか乱暴やったから映画のほうが面白い。
『12人の浮かれる男』には他にも戯曲が入ってるけど、
なんせ読むのに苦労するから後半は断念。
楽天ポイントで買ってるからまぁ後回しでいいかな。