感想文!! ミレー一筋

 

ルネサンスの名画』に続いて、『ミレーの名画はなぜこんなに面白いのか』を読了。

さらに、『ミレーの生涯』も一緒に読破。

ミレーっていっぱい作品残ってるんやな。

 

ミレーの代表作と言えば《落穂拾い》やと思うけど、他の作品はほとんど知らん。

いろんな作品を知れて、中でも羊を描いてるのは綺麗。

《羊飼いの少女》《夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い》《毛を刈られた羊》など。

 

で、面白いエピソードがあって印象的。

サロンに初入選して凱旋したミレーが、地元の市議会から前市長の肖像画の依頼を受けた。

《ジャヴァン氏の肖像》で、出る杭は打たれる。からなのか、

それが似てない。って言われて3分の1の値段に値切られてもた…..

 

その時一緒に描いてたのが《十戒の板を抱くモーセ》

モーセの右手が十戒のⅧを指してて、十戒の8番の意味はカトリックやと

「隣人に関して偽証してはならない」

 

結局、市に2枚ともくれてやる。ってことで寄贈したみたい。笑

そんなエピソードは絵画を観ただけでは理解できんわなー

2枚ともトマ・アンリ美術館にあるから並べて観んと。

 

井出洋一郎はミレー研究家らしく、ミレーが専門。
次に『ミレーの生涯』を。

サンスィエが著者で翻訳したやつ。

 

ミレーの一生を知れて面白いけど、話に出てくる作品がどんな絵なのかわからんし、

出てきた作品の絵があったとしても白黒…..

カラーじゃないから色味が全くわからんのが難点。

 

やから、先に『ミレーの名画』を読んでた方が少しはイメージできる。

 

ミレーが書いた手紙が残ってたお陰で、当時の状況が細かくわかる。

よく捨てずにサンスィエは置いてたなーって。

僕は何でも要らんものはすぐに捨ててまう。

 

手紙ではずっと頭痛に悩まされてる。って書いてて、それも原因やったのか60歳で亡くなってる。

当時はそれぐらいが寿命やったのか、妹も先に亡くなってるし、

親交のあったテオドール・ルソーも亡くなってる。

 

ミレーは友人運が良かったのはよくわかる。

サンスィエは内務省に勤めてて、友人兼理解者。

いつもミレーがお金送ってーキャンバス送ってーって言ってる。笑

 

いつも感謝してて真面目な人なのはわかるけど、余りにも辛い生活やったんやろな。

でも亡くなる前には巨匠として認められてるし、絵の値段も跳ね上がってるから、

死後に有名になったパターンと違って報われてる。

 

って言っても、やっぱり認められたのは遅すぎたし、

ミレー自身も「ようやく、自然と芸術がわかってきた」って言った矢先に亡くなる。

もっと長生きしてくれてたらまだまだ印象的な絵を残してくれてたんやろうな。

 

で、本物の作品なんて海外に行かんと観られんと思ってたけど、

山梨美術館にミレーの作品が常設されてある。

これも井出洋一郎の成果なのか。

 

教養としての絵画も次の『印象派の名画はなぜこんなに面白いのか』でしばらく終わり。

 

『ミレーの生涯』はちょっとばかし長かったけど、ミレーの人となりが分かったかな?

あとがきにチラッと疑問点が挙げられてて、確かに。って唸りそうになるけどそれもご愛嬌。